Career小町
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- ⃝所在地:横浜市鶴見区末広町 1-1-49 ⃝従業員数:21 人 ⃝業種: 精密部品加工 ⃝女性支援制度:時短勤務制度/出産休暇制度/育児休業
Real Voice
我妻真理子さん
(2000 年入社)
大学の先生のご紹介でこの会社と出会 いました。最初の印象はいくつもの機械 が雑然と並んでいるし、油のにおいもし ていました。正直、 「本当に、町工場だ」 と(笑) 。ただ、私自身はものづくりが大 好きだったこともあり、当時から長く働き たいと思っていました。仕事内容は、入 社後まず出荷検査に携わり、その後は設 計、技術営業といろいろなことに挑戦さ せてもらいました。産休・育休中に社長 から「もし興味があれば、在宅でできる 範囲で仕事を手伝ってくれないか」と相 談を受けたときはうれしかったですね。 家庭とは別に社会との接点ができたこと で精神的にも楽になりましたし、何より 会社の状況がわかるようになったことで 復職時の不安がすごく軽減されました。 現在は生産管理というまた新しい仕事に 挑戦中です。今後も業務の幅は広げてい きたい。そして、実力を蓄えながら、長 く働き続けることができればと思います。
意識から変えていく。
女性社員をサポー トする上で 心がけているこ とはありますか ?
正直なと ころ、 大したことはできていませんが、 一番心がけているの は風土づくりです。 たとえば、 子育てをしながら働いていれば、 当然、 早退や遅刻をしなければならないと きもあります。 そのとき、 周りの社 員から不満が出ないような職場にしておかなければなりません。 大企 業であれば、 今や当たり前のように育休後の時短勤務があって、 その 制度を利用している女性も多くいると思います。 すると、 周囲の社員 もその状況を受け入れやすく なります。 しかし、 も とも と女性の少ない中 小企業の工場では、 その女性の扱いが特別なもののように映ってしま うのです。 だから、 私はことあるごとに 「子育てをすれば、 誰もが通る 道。 そのときに自分が同じような目で周りから見られたら、 嫌だよね。 であれば、 みんなで協力してやろう」 と社員全員に向けて話をするよ うにしています。 また、 制度づく りも重要ですが、 その都度フレキシブ ルな対応ができることはもっと重要です。 風土づく りの成果が少しず つ現れてきたのでしょうか。 家庭の事情で朝早く出社できない女性 社員のために、 これまでは朝礼後すぐに開いていたチームミーティン グの時間を変えるなど、 社員たちが自分たちの判断で対応するように なりました。 いかに効率良く、 ミスなく作業を進めるか、 時間の制約の ある女性社員は常に時間との戦いです。 このような条件の下、 働く社 員と一緒に働くことで会社全体のコミュニケーションが盛んになり、 無駄な時間を削るため、 社員全員がより協力し合うようになりました。
社員と業界の
風土づくり。
制度づくりより
今後の「女性の活躍支援」について お聞かせく ださい。
製造業界の中小企業の中でも、 「女性を採用したい」と 考える企業は昔と比べて圧倒的に増えました。10 年前か ら比べれば、経営者の意識も大きく変わったと思います。 しかし、 まだまだ女性から見た 「ものづくりの現場」 のイメー ジはさほど変わっていないのではないでしょうか。町の部 品工場を積極的に受けてみようと思う女性はやはり少ない ようです。今後は女性の採用を強化していくためにも、業 界全体でイメージを変えていかなければなりません。私自 身、 具体的なアイデアを持っているわけではありませんが、 横浜市さんのような行政にお願いがあるとすれば、もっと 中小企業の魅力を伝える場を作ってほしいと思います。大 企業とは異なる中小企業の魅力を、直接、求職者にアピー ルできる機会がもっともっと増えると良いと思います。特 に、大学生のような若い方にアピールできる機会があると うれしいです。どうしても大学生や、大学の先生方は大き な企業ばかりに目が行きがちです。でも、きっと大企業よ り、中小企業の方が向いている学生もいるはずです。そう した良い出会いを横浜市さんと一緒につくっていくことが できたらいいなと思います。
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