Career小町
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- 製造
株式会社
代表取締役社長 吉岡優さん
吉岡精工
1961 年創業の吉岡精工様。自動車のエンジンバルブ金型製造を中心に成長し、現在は半導体製造装置の精密部品を中心 に事業を展開されています。社員数は 20 名。そのう ち 5 名が女性社員です。今回は、社長を務める吉岡優さんに製造業とい う環境の中で、どのよ うに女性を雇用し、活躍し ても らえる環境を整えているのかについて語っ ていただきま した。
まず、製造業界全般の女性採用の 状況についてお聞かせく ださい。
ゼロというわけではありませんが、男性に比べると圧倒的 に少ないのが現状です。どこの工場へ行っても、第一線で活 躍されている女性を見かけることは、あまりありません。製 造業は、汚い、キツイ、危険という昔ながらのイメージがあ りますから、女性としても「私には難しいかも…」と考える 方が多いと思います。昔はトイレや更衣室も男女兼用だった り、女性にとって働きやすい環境とは言えませんでした。で も、今は少しずつですが、女性を雇用するために環境を変え ようと動いています。トイレや更衣室を分けたり、重たいも のを運ぶために道具を利用して簡単に持ち運びができるよう にしたり。けれど、環境を整えて優秀な女性を雇用できたと しても、長く働いてもらうには女性のライフステージの変化 に対応できる職場にしなければというさらなる課題もありま す。私たち経営者がこの状況を理解し、課題解決に向け真 摯に挑戦し続けなければ、製造業界の女性雇用推進は進ま ないと思います。
貴社では女性を採用するこ と で どのよ うな変化がありま したか ?
私たちの会社では 2000 年頃から積極的に女性の採用を始 めました。ほとんどの製造業の中小企業が女性を採用するこ とをまだ真剣に考えていなかったこともあり、採用は思いの ほか順調でした。さらに、当時は仕事においても技術職の女 性社員がお客様先を尋ねると、それだけで大きなインパクト を与えることができました。製造業は男性がするものと思い 込んでいるため、最初は「女性で大丈夫?」と不安がるお 客様もいるのですが、その女性技術者が優秀だとそのギャッ プがお客様との関係構築にも大いに役立つことがわかりまし た。また、女性の魅力のひとつとして丁寧な仕事をしてくれ ることが挙げられます。 私たちの製造する精密機器の部品は、 ほんの少しの傷や汚れがあるだけで NG です。扱い方を間 違えたり、ぶつけてしまったりしたら、そこで終わり。仕事 のスピード以上に手先の丁寧さや細やかな気配りが必要にな るのですが、その点は男性以上に女性が向いていると思って います。性格も根気強いですし、仕事を見ていても非常に安 心感があります。女性としての物珍しさではなく、ある部分 では男性以上にこの仕事に向いていると思いますし、私たち の会社としても欠かせない存在です。
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