Career小町
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- 製造
フ ォ ルム株式会社
常務取締役 小林陽一さん
1950 年に創業。以来、ト ラ ック・バス部品の製造を一貫し て取り組んでいる フ ォルム株式会社様。国内主要ト ラ ック メーカー や乗用車メーカー との取引を通じて成長し、横浜市にある本社のほか、関連子会社が国内に 2 社、イ ンドネシアに 1 社と、世 界に向けて発展しています。現在、315 名いるスタ ッ フのう ち、女性スタ ッ フは 21 名。今回は常務取締役の小林陽一さんに、 男性中心の業界における女性の雇用や働き方、課題点について、お話しいただきま した。
いつ頃から女性採用に 力を入れ始めたのですか ?
この業界は、昔から男性社会。以前は、高卒の女性を総 務や経理などの事務職として採用していた時期もありまし た。ただ、育成したとしても、早くに社内結婚をして退職。 会社の男性陣によって戦力を失ってしまうケースが続きまし た(笑) 。とはいえ、私たちのような中堅企業にとって優秀 な女性は貴重な人材です。ここ数年は再び、 文系理系問わず、 良い女性がいれば積極的に採用し、一から教育するようにし ています。そして、そのためには、会社として制度や設備を 整えていく必要がある。産休・育児休暇というのはもちろん、 子どもが急に病気になって休みたいとき、周りの人間が協力 的になれるような風土づくりも重要です。さらに、女性が快 適に働けるように現場のトイレを増やしたり、休憩室を作っ たり。女性だけではなく、障害者採用にも対応できるように 事務所をバリアフリーにしたり、エレベーターを設置したり。 まだまだ取り組むべき課題が山積みですが、今後はこうした 環境面にももっと投資をしていこうと考えています。
女性を採用するこ と で 経営への効果や期待はありますか ?
社員の日頃の小さな悩みの相談窓口になってくれていま す。とくに、技術系の社員は CAD を使って図面を書いたり、 パソコンと向き合ったり、一人でやる仕事が多く、孤独にな ることが多いんです。また、上司とのコミュニケーションで 悩む社員もいます。そんなとき、女性は細かな気づきや配慮 ができますし、悩んでいる社員も女性のほうが相談しやすい ようです。逆に男性は、そういった部分に少し疎いですから ね(笑) 。どうしても雑な部分が見えます。事実、仕事に関 しても、会社の改善活動として月に一度発表する機会がある のですが、女性陣の発表は細やかで論理的です。一部では 女性は感情的だと言われていますが、まったく違います。相 手の立場で話ができるので、監督者や管理職としても、営 業や資材バイヤーとしても育てていけると考えています。ま た現場においても、クラッチやブレーキなどの部品の組み立 て作業は細かなものが多いので、女性が活躍できる場です。 品質保証という面から考えると、客観的に考えられる女性の ほうが向いています。ここ 1、2 年で、とくに女性の必要性 を痛感しているのですが、まだキャリアアップした女性社員 がいないことが、今後の課題ですね。
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