Career小町
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- 製造
ニ ッパ株式会社
代表取締役 秋本りつ子さん
昭和 36 年、ダンボール加工業をメイ ン と した新羽紙業株式会社と し て創業。平成 2 年に、現在のニ ッパ株式会社と改称し、 事業部門を多角化。ダンボール包装の企画、デザイ ン、製造、さ らに災害時のダンボール製簡易トイ レやトイ レッ トペーパーな ど幅広 く手がけています。現在、社員 48 名中、女性社員は 9 名。今回はご自身も子育てを経験してきた代表取締役の秋本り つ子さんに、女性の働き方や意識改革についてお話しいただきま した。
いつぐらいから 女性採用に力を入れ始めたのですか ?
そもそも採用に関して、性別で区別したことはありません。 私が結婚を機に、この業界へ足を踏み入れたのは、日本経 済が上り坂だった時代。大手企業でさえ働き手を探している のに、私たちのような中小企業が人材を選ぶなんて余裕はあ りませんでした。とにかく働いてくれるのであれば、男性で も、女性でも、障害者であっても関係ありません。今でこそ、 女性活躍推進や障害者雇用と言われるようになりましたが、 そんな言葉がなかった頃から、当たり前のように採用に力を 入れてきたのです。それが今も活きているだけ。女性活躍推 進と言われるようになったから、取り組んでいるわけではな いんです。企業は人なりと言いますが、人がいなかったら会 社は成り立ちません。また、経営は継続ですから、一時的に 儲かってもダメ。瞬間的に力を発揮するというより、コンス タントに力を発揮し、着実に成長していってくれる人を求め ています。そういう意味では、女性は持続性が高く、仕事に も飽きずに取り組んでくれるため、非常に助かっています。
女性社員をサポー トする上で 気をつけているこ とはありますか ?
もちろん、育児休業法など一般的なものは、昔から取り組 んでいます。それだけではなく、当社では「細切れ労働」や 「つなぎ労働」 といったシステムを採用しています。たとえば、 お昼に幼稚園などのお迎えに行くとき。一時的に会社から抜 けて、また子どもを別の人に預けたら、戻ってきて働く。同 じように、病院に検診へ行くなら、数時間抜けても大丈夫で す。私自身も経験してきたことですが、途中抜けできるシス テムがあれば、仕事を辞めたり、休んだりする必要がありま せん。また、子どもを会社に連れてくることも認めています。 なにか悩みや相談事があれば、 その度に話を聞いて、 どうやっ たら解決できるのか考えるようにしてきました。ただし、単 に要望に応えるだけがサポートではないと思っています。女 性自身に社会と関わりたいという強い意識を持ってもらうこ とも重要です。これは障害者も産休からの復帰者も同じ。な ぜ働きたいのか。そこを考えてもらうこと。いくら制度を充 実させても、本人の仕事への意識が変わらなければ、会社 だけでなく、家族や周りの人からの協力も弱くなってしまい ます。長く仕事を続けてほしいからこそ、女性の意識も変え ていかなければ、本当のサポートにつながらないのではない でしょうか。
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