Career小町
- ページ: 20
- 製造
代表取締役 木田成人さん
昭和精工 株式会社
1954 年に創業。以来、精密加工、精密金型の設計製作、自動機、専用機の開発に携わってきた昭和精工株式会社様。 半世紀を超える経営の中で培われたモノづく りの技術力 とノウハウによ っ て、世界を相手にビジネスを展開する様々 な企業からビ ジネスパー トナー と しての厚い信頼を獲得している会社です。現在、社員は 97 名。そのう ち女性は 19 名。今回は、代表取締 役社長を務める木田成人さんに、 女性が少ないと言われる製造業界において、 女性の採用や働き方ついて語っ ていただきま した。
いつ頃から女性採用に 力を入れ始めたのですか ?
本格的に開始したのは約 5 年前。 私が社長になってからです。 かつての製造業界は 3K の職場と言われ、 「きつい、 汚い、 危険」 というイメージがありました。特に中小企業の製造現場はその イメージが強く、以前までは女性の就職先として候補に挙がら ないという状況でした。また、製造現場では 5 年 10 年と時間 をかけて技術を磨いていきます。途中で結婚や出産で職場を離 れるのであれば、男性を中心に採用した方が良いという考えが 企業側にもありました。しかし、私は男性だけが採用の対象で はないと考えています。男性だけの世界だと当たり前になって いることが、女性が入ることで一変する。古くから凝り固まっ た働き方や考え方を新陳代謝できる、と。 そうした中、我が社にも本気でモノづくりに取り組みたいと いう技術職志望の女性が入社してくれました。男性しかいない 製造現場に飛び込むというのは、相当の勇気が必要だったはず です。 彼女の採用は、 会社としてもすごく大きな出来事でした。 1人でも女性が工場で働いていると、 次年度の採用のとき工場 見学で訪れた女性に 「私も働けるかも」 と思ってもらえるんで すね。 女性が働きやすいように制度をどれほど整えたとしても、 実際に働いている女性社員がいなければ、 不安になる。 そういう 意味でも、 彼女の入社は本当に大きな出来事だったと思います。 19
女性を採用するこ と で 製造現場への効果はありま したか ?
以前までは、 仕事を教えるというより「背中を見て覚えろ」 というような職人気質の考えが現場にはありました。ただ、 それでは今は人が育ちません。もっと丁寧に教えるべきでし たが、なかなか改まる機会がなかった。それが、女性が入 社したことで変わっていきましたね。優しくなったというか、 しっかりと後輩へ教育ができるようになったのです。男性中 心だった世界で女性が力を発揮し、戦力となっていくのを目 の当たりにすると女性に対する先入観がなくなり、技術を継 承していこうと考えるようになったのだと思います。 現在は、各部署に 1 名以上、製造現場だと各セクション に分かれていますが、それぞれ最低 1 人はいる状況までに なりました。女性社員同士の交流も盛んです。部署を問わず 全体の女子会を自主的に開催し、率先して職場の雰囲気作 りをしてくれています。
- ▲TOP