Career小町
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- 製造
株式会社
代表取締役 江森克治さん
協進印刷
横浜市神奈川区で昭和 34 年から3代続く協進印刷様。現在は印刷だけでな く、企業や団体の広報支援、さ らには地域で 活動する NPO の情報発信支援と いったソーシャル・マーケテ ィ ングに も力を入れている会社です。社員数は 12 名。そのう ち約 半数が女性社員とのこ と。今回はその協進印刷様の代表を務める江森克治さんに、女性の雇用や働き方について、経営観や 人生観も交えながらお話しいただきま した。
いつぐらいから 女性採用に力を入れ始めたのですか ?
もともと採用において「男性だから、女性だから」と区別 したことはありません。第一、私たちのような中小企業は男 女を選り好む余裕なんてありませんから。ただ、 「仕事にお ける男女」について考え直すきっかけになった出来事はあり ました。今から十数年前、私が代表に就いたばかりの頃の話 です。当時の私は、男性社員も女性社員も同じ環境で働き、 同じ基準でフラットに評価することがフェアだと考えていま した。 しかし、 ある時、 すごく優秀だった女性社員が 「もう限 界です」と突然辞めてしまったのです。聞けば、家事や子育 てとの両立が難しい、と。その時に、会社の中だけで考える のではなくて、家庭での負担の増減も考慮して、生活全般を 通しての負担がフラットになるようにしなければ、本当の意 味でのフェアな待遇や評価にはならないと思ったのです。女 性社員のサポートに力を入れ始めたのはその頃からですね。
女性社員をサポー トする上で 気をつけているこ とはありますか ?
まず、女性社員だけに限らず、働く人たちを一括りにする ことに無理があると感じています。なぜなら、仕事を通じて 追求する「幸せ」は社員一人ひとりによって異なるからです。 たとえば、同じ女性でも仕事を一番の生きがいにバリバリ頑 張りたいと思っている人もいれば、仕事はほどほどにプライ ベー トの充実を大切にしている人もいる。 そこで、 私たちの会 社では正社員だけでなく、短期間勤務社員、パートタイム社 員といくつもの働き方を用意しました。 加えて、 独身の時は正 社員で働いて、育児中はパートタイム、子供が手を離れたら 正社員に戻るといった雇用形態の変更が何度もできる制度も 整えています。 ちなみに、 この 「制度を整えている」 というのが、 じつは社員をサポートする上での大きなポイント。かつては 当社のような十数人の会社であれば、困ったことが出てきた 時に都度対応すればいいと考えていたのですが、それは大間 違い。制度として用意し、常に広報することで初めて、社員 は安心して活用することができるのです。何をサポートする かに加えて、どうサポートするかの視点が欠かせません。
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